日本司法書士会連合会

Case2 部屋を借りている大家さんから、『明渡しの裁判』を起こされた

突然、裁判所から書類が届き、「答弁書」を提出するよう書かれているのですが、書き方がわからず、大家さんの言い分には納得のいかない点もあります。

書類(訴状)を拝見します。大家さんは、3か月分の家賃の滞納があったので借家契約を解除し、家屋の明渡しと滞納家賃の支払いを求めるとしています。大家さんの言い分で納得のいかない点はどこですか?

家賃の滞納は前のバイトをやめ、次が見つかるまでの2か月だけです。
書類には、大家さんはこれまでの私の部屋の使用状態にも文句をつけ、信頼関係が なくなったと書いてありますが、私はそうは思いません。 私の部屋が雨漏りしたときは、何度も大家さんに修理をお願いしたのですが応じてく れず、1年前に私が自費で直しました。修理代金を家賃から引けば滞納はなくなります。

そうですか。他にはありませんか?例えば、家賃の催促や契約の解除の点についてはいかがですか?

大家さんからは電話で家賃の催促を受けましたが、契約を解除するとまで言われた記憶はなく、「もう少し待って欲しい」とお願いしたら、「わかりました」と答えてくれたので、今月から2か月分ずつ返す予定でした。
私も悪いですが、これまで7年間、一度も家賃を滞納したことはなく、大家さんに裏切られた気持ちです。
最近では、マンションの老朽化もひどいし、退去することも考えていますが、引っ越しは時間とお金がかかるので二の足を踏んでいます。

いまのお話から、いくつかの点で争えそうですね。その前にまず、「答弁書」の書き方ですが、「答弁書」とは訴状に書いてある事実関係が正しいのか、誤っているのか、それとも知らないのかを回答して、ご自分の主張を記載するものです。ご自分で書くことが難しければ、司法書士が代わりに作成することもできます。また裁判については、ご自身で行うこともできますし、今回の件は簡易裁判所で審理されますので、認定司法書士(注)が代理することも可能です。
(注)法務大臣が指定する法人が実施する研修を修了し、法務大臣による認定を受けた司法書士

初めてのことで知識もないですし、自分ひとりで裁判に臨むのは不安です。

そういうことであれば、わたしたち司法書士にご相談ください。ご自身で裁判をされる場合でも、司法書士は「答弁書」のような裁判所に提出する書類の作成ができるほか、司法書士が裁判所に同行し、法廷でのやりとりを傍聴するなどの支援をいたします。

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