日本司法書士会連合会

災害対策

概要

 日本は、世界の中でも地震や台風などの自然災害が極めて多い国であり、毎年なんらかの被害が発生しています。このような災害が発生したときには、普段は気にしていなかったことが復興に向けて重大な障害となったり、精神的に追い詰められた被災者の方々の間で平常時には思いもよらない争いが起こったりします。

 司法書士は日頃から、相談業務として、市民の皆さんの心配事やトラブルの事情をお聴きし、対話を行い、その解決のために一緒に考え、様々な手続のお手伝いをしています。
 このスキルを被災時の復興に役立てようと、平成7年に発生した「阪神・淡路大震災」を機に「市民救援基金」を創設しました。

 この基金を活用し、被災された市民の皆さんに寄り添い、法律的な事案のほか、日常生活における心配事やトラブルの解決に向けて、一緒に歩む活動を行っています。

 これまで、市民救援基金を活用して市民救援活動を行った災害は下記のとおりです。

2000年(平成12年)3月 有珠山噴火災害
6月 三宅島噴火災害
9月 東海豪雨災害
2001年(平成13年)3月 芸予地震
2004年(平成16年)7月 新潟・福島豪雨災害
7月 福井豪雨災害
10月 新潟県中越地震
2007年(平成19年)3月 能登半島地震
7月 新潟県中越沖地震
2009年(平成21年)8月 平成21年台風第9号災害
2010年(平成22年)4月 宮崎県口蹄疫被害
10月 鹿児島県奄美地方豪雨災害
2011年(平成23年)3月 東日本大震災
3月 長野県北部地震
9月 平成23年台風第12号災害
2012年(平成24年)7月 九州北部豪雨災害

具体的な活動内容

(1)相談会の開催司法書士が、被災地の「司法書士総合相談センター」や「法テラス」において無料相談を受けるほか、被災者の皆さんができるだけアクセスしやすい場所で臨時の無料相談会を開催します。

(2)巡回相談の実施被災時には、相談会場や相談センターまでアクセスできない方もいるため、その方々にも情報をお届けし、気軽に相談していただけるように、複数名の司法書士が避難場所や仮設住宅等を巡回して相談にあたります。

(3)災害復興支援事務所の設置司法書士による法的サービスを受けることが困難になった地域に「日司連災害復興支援事務所」を設置し、“相談センター”兼“司法書士事務所”として活用します。

(4)「被災後の法的トラブル解決ガイド」等の小冊子の配布被災者の方々に災害時の法律問題等についての情報をわかりやすくお届けするために、被災時の法的トラブルに関するQ&Aや全国の相談先などを掲載した「被災後の法的トラブル解決ガイド」を発行し、配布します。

(5)説明会等の開催残念なことですが、被災地では、被災直後から災害に乗じた心無い事件や悪徳商法の被害が発生してしまいます。被災者の皆さんがこれらの被害を受けないように、また、復興における道程の中で直面されるであろう様々な法律問題について説明会等を開催します。

日本司法書士会連合会の取り組み