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総会決議集

2011年(平成23年)06月24日

日本司法書士会連合会内に(仮称)「外国人住民票検討委員会」を早急に設置する決議

日本司法書士会連合会

第74回定時総会

【議案の趣旨】

 平成24年(2012年)7月施行予定の改正「住民基本台帳法」で創設される「外国人住民票」は、在留外国人の思いと利便性を看過している点が多々ある。そこで、「外国人住民票」の在り方を検討しその改善策について提言を行う委員会を、早急に日本司法書士会連合会内に設置すること。

 

以上のとおり決議する。

【提案理由】

 2009年末現在、日本に在留する外国人で外国人登録した者は約219万人であり、その国籍(出身地)は189に達している。また、日本に無期限で永住することを許可されている「永住者」「特別永住者」は約94万人である。

 

 平成21年(2009年)7月に公布された改正「住民基本台帳法」(法律第77号)は、これまでの「外国人登録法」による人的・身分的登録に代えて住民基本台帳制度の枠組みに外国人を組み入れる「外国人住民票」を創設した。

 

 「外国人住民票」作成対象者は、「中長期在留者」「特別永住者」などであるが、その記録からは「外国人登録原票」に記載されていた身分事項の多くが除かれ、人的事項(氏名・住所・生年月日・性別)の記載についても、例えば氏名の表記を原則アルファベットとしたり、在留外国人が日常生活で使用している通称名の表記を削除しようとするなど、当事者の思いや利便性を無視する傾向が多くみられる。さらに、身分事項や人的事項の変遷経過の記録を当事者でさえ容易に入手できない制度設計も看過しえないところである。

 

 現在考えられている「外国人住民票」制度は、永年日本で生活する外国人にとっては安定した社会生活の営みにブレーキをかける要因となることは必定である。

 

 全国に隈なく均在している司法書士は、日本の隅々に生きる在留外国人を含む市民に、法化社会で生きる術をアシストする役割を担っている。「外国人住民票」の在り方を再度市民の目線で検討しその改善策を練り上げるべきである。

 

 改正「住民基本台帳法」は、2012年(平成24年)7月施行予定である。早急に日本司法書士会連合会内に(仮称)「外国人住民票検討委員会」を立ち上げ、「外国人住民票」の在るべき姿を提言すべきである。

 

(経費と財源)

 

 委員会運営の経費は、事業費の中の委員会費をもって充てる。