-
総会決議集
会社法改正に伴う新会社法第911条第3項第17号イに掲げる事項の登記につき、登録免許税の非課税を求める決議
【議案趣旨】
予定されている会社法の改正により「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定め」がある株式会社について、当該定款の定めがある旨を登記事項に追加するものとされたことから(新会社法第911条第3項第17号イ)、多くの全株式譲渡制限会社(非公開会社)がこの登記を申請することになる。
この変更登記は「監査役設置会社に関する事項」欄に記録されることとなる為、この申請に際し登録免許税3万円(登録免許税法別表第一第24号(一)ツ)が必要となる。
この登録免許税の納付は、これら会社にとって、重い負担となる為、登録免許税法、租税特別措置法などのいずれかの規定を一部改正することにより登録免許税が非課税になるよう、関係諸機関に対し呼びかけるなどの活動を行う決議を求める。
2014年(平成26年)06月20日
日本司法書士会連合会 第77回定時総会【提案の理由】
会社法制の見直しに関する要綱「第3 その他 2 監査役の監査の範囲に関する登記」によれば「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社について、当該定款の定めを登記事項に追加するものとする。」とされ、会社法の一部を改正する法律案にて会社法第911条第3項第17号イの規定として「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは、その旨」を登記事項に加えるとしている。
この条文を見る限り「監査役設置会社に関する事項」欄に「監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある」旨が記録されることとなる。
しかるに、整備法による登録免許税法の一部改正及び租税特別措置法の一部改正のいずれにおいても、特段の手当てはされておらず、この変更登記の際の登録免許税は3万円(登録免許税法別表第一第24号(一)ツ)と考えられる。
改正附則第22条第1項の規定により、この改正後においてこの定款の定めが現にある株式会社は、施行後最初に監査役が就任し、又は退任する際には新会社法第911条第3項第17号イに掲げる事項の登記をしなければならず、その際には、役員変更の登録免許税以外にこの3万円の登録免許税も納付が必要となる。
つまり、この改正により、これにかかる監査役の変更登記の場合、資本金の額が1億円をこえる会社においては6万円、1億円以下の会社においては4万円の登録免許税が必要となり、中小企業団体からの役員変更の負担軽減の要請により会社法にて役員の任期を最長10年とすることを認めたにもかかわらず中小企業に対し、重い負担を課すこととなる。
以上のことに鑑み、予定される会社法の改正にあたり、日本司法書士会連合会としてもこの法改正により登録免許税の負担増となる中小企業を救済するものとなるよう行政、国会、マスコミなど関係諸機関に対し登録免許税が非課税となるよう呼びかける為、決議を求めるしだいです。