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総会決議集
「非司法書士との提携及び名義貸与禁止」に関する司法書士法改正 並びに司法書士倫理研修の義務化を求める決議
【決議の内容】
日本司法書士会連合会は、司法書士でないのに利益を得る目的で多重債務整理に関して法律事務を行い若しくは裁判所提出書類を作成し、又はこれらを斡旋することを業とする者から事件の斡旋を受け、又はこれらの者に自己の名義を利用させる司法書士(いわゆる「整理屋提携司法書士」)を撲滅すべく、以下のとおり行動する。
1. 司法書士法について、「非司法書士との提携及び名義貸与禁止」を目的とし、違反者には罰則
を伴う規定を設ける内容の法律改正がなされるよう 関係機関に早急に働きかけ、その実現を
はかる。1. 各司法書士会の綱紀委員会の態勢を強化し、綱紀委員会の調査及び注意勧告の在り方について
検討する。1. 「整理屋提携司法書士」の撲滅を緊急課題と認識し、日本全国の司法書士に厳正に自らを律する
よう注意喚起する。1. 国民の信頼を得られるよう、全会員に司法書士倫理の研修を義務化する。
以上のとおり決議する。
2004年(平成16年)06月25日
日本司法書士会連合会 第65回定時総会【提案理由】
- 数年前から、いわゆる「整理屋提携司法書士」の存在が危惧されていたが、今般、マスコミ、新聞、雑誌で取りあげられ、社会問題となっている。このままこの問題を放置すれば、国民の信頼を裏切ることとなり、ひいては司法書士制度の根幹を揺るがすことになる。
- 簡裁訴訟代理権等の取得や不動産登記における資格者としての権限と責務が明確化されるなど、司法書士の社会的責任は一層重くなり、さらなる職業倫理の確立と徹底が要求される。
- しかし、一部の司法書士による整理屋提携という非違行為により、司法書士界全体に甚大な悪影響を与え、社会的信用は失墜し、司法書士制度は崩壊の危険へと向かうことも危惧される。
- よって、日本司法書士会連合会は各司法書士会の綱紀委員会の態勢を強化し、綱紀委員会の調査及び注意勧告の在り方について検討するとともに、整理屋提携司法書士の撲滅を緊急課題と認識し、日本全国の司法書士に厳正に自らを律するよう注意喚起をし、さらに、司法書士倫理の徹底のため、全会員に司法書士倫理の研修を義務化すべきである。
- また、現在の司法書士法には、弁護士法27条、77条のように、整理屋提携の禁止及びそれに伴う罰則規定が存在しない。それが、整理屋提携司法書士を増加させている一因とも考えられる。そこで、日本司法書士会連合会は、司法書士法について、「非司法書士との提携及び名義貸与禁止」を内容とし、違反者には罰則を伴う規定を設ける法律改正をおこなうよう関係機関に早急に働きかけ、その実現をはかるために行動すべきである。