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意見書等
2006年(平成18年)01月06日
内閣官房IT担当室 御中
「IT新改革戦略 -ITによる日本の改革-(案)」に関する意見
1.個人/団体の別 団体
2.氏名/団体名 日本司法書士会連合会
3.職業 司法書士
4.該当分野 (11) (3)21世紀型社会経済活動
5.該当ページ 主に21ページから23ページ
6.意見の概要
オンラインによる申請手続を実際に行った上での現状の分析と,今後のオンライン申請の普及する方法についての意見。
7.本文目次
I.登記申請について
1 現状における問題点
(1)公的個人認証サービスの普及率について
(2)有効性検証について
(3)当事者間の有効性検証
(4)登記識別情報
2 オンライン申請を普及させる方法
(1)利用者本人が公的個人認証サービスを利用しない方法
(2)公的個人認証サービスについて
(3)登記識別情報の通知方法の改善
(4)市販のソフトウェアの活用及びオンライン申請システムの汎用性
II.商業・法人登記
III.動産・債権譲渡登記
IV.登記事項証明交付申請及び登記情報提供サービスについてはじめに
司法書士は不動産登記,商業・法人登記,動産・債権譲渡登記申請等の代理人を職務としているほか,その付随業務として,不動産登記又は商業・法人登記の登記事項証明書の交付申請を行っています。そこで,以下登記オンライン申請等の普及について意見を述べます。I.不動産登記申請について
1.現状における問題点
(1)公的個人認証サービスの普及率について
不動産登記法はオンライン申請を原則とする内容に改正されたとはいえ,申請方式は従来の申請の形式(共同申請,添付書面)を踏襲しているため,司法書士が 代理人として申請する場合であっても申請人(権利者・義務者双方当事者)本人が公的個人認証サービスを利用していなければなりません。不動産登記申請のオ ンライン利用率を50%以上にするためには,計算上国民の約70%(70%×70%=49%)以上が公的個人認証サービスを利用する必要があります。しか しながら,2010年までに利用者が急増し,公的個人認証サービスの利用者が70%を超えるとは思えません。オンラインを利用した不動産登記申請の利用率 を増加させるには,申請人本人の公的個人認証を利用しないまま申請できる方式を検討する必要があると考えます。
(2)有効性検証について
公的個人認証の普及は別として,その有効性検証について,述べます。
第 163回国会に電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の一部(公的個人認証法)を改正する法律案が提出されました。この改正法が成立すれば司 法書士にも電子署名と電子証明書の有効性を確認する道が開けることとなり,それが実現すれば,司法書士が代理人としてオンラインを利用した登記申請を為す 場合の障壁が一部取り除かれることにはなります。
しかし,不動産売買においては,売主及び買主の電子署名について,有効性検証を行った後に売買代 金の決済が為され,その後速やかに登記申請が行われますが,登記所によっては,申請情報の調査が翌日以降に行われることが少なくありません。自宅を売却し た売主が当日住所移転届出を為すと,登記官が申請情報を調査する時点で,売主の電子証明書は既に失効しているとして,当該登記が実行されないという事態に 陥ります。
総務省のホームページ「インターネットによる行政手続の実現のために 第2 申請者等の認証」(http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/000316c.htm) の「2.(ウ)新たな認証の仕組みの導入に当たっての留意点」において「デジタル署名付きの電子文書に関しては、一定期間保存管理され、後にそのデジタル 署名が正しいかどうかの確認を要する場合もあるため、デジタル署名を検査する公開鍵及びその証明書についての適切な世代管理が必要であること。」と記載さ れているとおり,公開鍵及び電子証明書の世代管理が確実に行われているのであれば,電子署名から登記官の調査までの時間差を考慮する必要はありませんが, 現時点では実現していません。
(3)当事者間の有効性検証
不動産登記の申請書の添付書面のうち特に原因証明情報は登記申請に利用するだけではなく,後日の証拠資料として,原本還付の手続により登記完了後も当事者 が原本を所持する事例が多くあります。ところが,登記の申請に利用するため公的個人認証を利用して電子署名を行った場合,後日当事者自身が原因証明情報の 有効性を検証することはできません。検証できない情報は当事者にとっては署名押印のない紙の書面と何ら変わりないのです。
現状で,オンラインによる申請を選択した場合には,当事者が後日のため所持する書面には署名押印をし,登記申請に利用する書面については電子署名を利用す ることも考えられなくはありません。しかしながら,利用者にとっては,紙で申請するのであれば印鑑証明書さえ取得していればよいのに,オンライン申請をす る場合には電子証明書まで取得する必要が生じます。時間も費用も従来以上の負担増加となります。
これでは,私ども司法書士も,従来どおり紙の申請書で手続をすることが可能であるのに,あえて公的個人認証を利用したオンラインによる申請をすることについて利用者に対して合理的な説明ができません。
利用者の時間と費用の負担を増加させてまで,オンラインによる申請を行うことはu-Japan構想の求めるところではないと思われます。
利用者である国民が行政手続を行うのは一生のうち何回あるのでしょうか。従来の特に印鑑登録制度が併存している状況で,利用者が印鑑証明書より使用方法が制限されている電子証明書の利用の交付を受けようと考えるとは思えません。
(4)登記識別情報
a 登記識別情報について
登記識別情報は,登記を受けた際に通知され再度通知されることのない情報を提供することによる本人確認の一つの手段でという性質を持っています。(以下の登記識別情報とはオンラインを利用して電子情報で通知された登記識別情報について記載しています。)
b 登記識別情報の通知を受ける方法について
登記識別情報の通知を受ける場合,登記申請に際して申請人本人は申請者情報等を作成します。申請者情報等を作成する経緯で鍵ペアが生成され,登記官はこの 鍵ペアの公開鍵を利用して登記識別情報を暗号化して通知します。通知された本人が登記識別情報を見るためには,前述の鍵ペアの秘密鍵と鍵ペア作成の際に設 定したパスワードが必要になります。
c 申請者情報等及び登記識別情報を受け渡しする際の問題点
(i)前記申請者情報等を申請人本人が自 ら登記申請情報作成支援ソフトを利用して作成してくるとはほとんどないと思われます。恐らく司法書士のパソコンを利用して作成することになるのでしょう。 その結果,一時的に代理人とはいえ他人のパソコンの中に申請人本人の秘密鍵が保存される状況になります。公的個人認証サービスで利用する秘密鍵であれば, 漏えいしたものとして失効させるべき状況が発生していると言えなくありません。
(ii)鍵ペア作成に設定するパスワードは,申請人本人が決定し, 自ら入力をしなければなりません。依頼者にはキーボードの利用に慣れておらず,パスワードの設定に際して他人に推測されにくく,自分は忘れないであろうも のを決定し,適切に入力をすることが困難である人も多くいると思われます。
(iii)このように作成した,鍵ペアの公開鍵を登記識別情報通知用特定ファイルとして申請情報に添付して送信します。そして,登記完了後に,代理人が登記識別情報を法務省のサイトからのダウンロードをします。
(iv) 登記識別情報をダウンロードした後,万一(i)で作成した鍵ペアが代理人のパソコンに保存されていた場合,暗号化されたファイルと,複合化するために利用 する秘密鍵が代理人とはいえ本人以外の者の手元に揃ってしまうという事態が生じてしまいます。この事態を避けるためには,代理人が申請情報を送信した時点 で,申請者情報等を申請人本人に受け渡す必要があります。
(v)申請人本人は,代理人が(iii)でダウンロードした登記識別情報を代理人から受け取ることになります。申請人本人は代理人から1個の申請について2つの記録媒体(CD-R等)を受け取ることになります。
(vi) なお,登記識別情報のダウンロードを行えるのは1回限りです。ダウンロード完了後,代理人は申請人本人へ登記識別情報を受け渡しするために何らかの記録媒 体へ登記識別情報をコピーすることになります。非常に可能性は低いでしょうが,登記識別情報のダウンロードから記録媒体へのコピーが完了するまでの間に, ハードディスクがクラッシュした場合などであっても再度交付を受けることはできません。このような状況は,紙の申請に例えると,法務局から交付を受けた登 記済証や登記識別情報を紛失した,焼失した,という通常ではあり得ない事件であります。代理人である司法書士にとっては,社会的生命を脅かされないような 状況に追い込まれかねません。
(vii)申請者情報等及び登記識別情報(以下この項において「識別情報等」といいます。)に限らず電磁的記録(以 下この項において「ファイル」といいます。)の受け渡しをした際には,受け取った側が内容を確認する必要があります。紙に印刷されたものであれば,受け 取ったものが当該情報であるとおおよその確認することも可能です。しかし,ファイルの場合確認できるのはファイルそのものではなく,記録媒体でしかありま せん。前述のとおり受け渡しの終わった識別情報等は消去しますので,記録媒体の不具合,記録過程での不具合により適切に記録されていなかったということの 無いよう,渡した側が消去する前に必ず受け取った側が適切に記録されていることを確認する必要があります。登記識別情報を確認するためには,法務省のサイ トから申請書作成支援ソフトをダウンロードし,オンラインによる登記申請ができるのと同様の環境を構築しなければなりません。申請人本人にとって非常に負 担の大きい作業であると思われます。
識別情報等を渡した側は,受け渡しの終わった識別情報等は完全に消去する必要があります。「ごみ箱」に識別情報等を入れて「ごみ箱を空にする」メニューを 選択した通常の消去の方法では簡単に復元できてしまいますので,消去するためのソフトを利用しなければなりません。更に,申請人本人へ識別情報等を渡した 代理人は業として識別情報等を扱う以上,適切に扱っていることの記録を作成しなければならないかと思われます。具体的には,消去等を客観的に確認可能な状 況にするため少なくとも,申請者情報等の作成,申請者情報等の交付,申請者情報等の消去,登記識別情報のダウンロード,登記識別情報の交付,登記識別情報 の消去及び識別情報等を受け取った側が内容を確認できたことをいつ,誰が,どのように行ったのか,どのように確認したのかを記録に残さなければならないで しょう。これは,代理人にとって非常に重い負担となります。
d 登記識別情報保管の問題点
前述のとおり,1回の登記で申請人本人は公開鍵などの申請者情報が記録された記録媒体を一つと,登記識別情報が記録された記録媒体を一つ受け取ります。紛 失防止のためとはいえ,むやみにバックアップを取ることができませんし,わかりやすい場所に保管することもできません。また,保存状態によっては光ディス ク(CD,DVD)も数年程度(場合によっては数日)で劣化し保存した内容を読み出せないという事例も報告されていますので,少なくとも2・3年に一度は 新しい記録媒体に交換する必要にも迫られます。更に,次回登記をするときのためにパスワードも記憶しておかなければなりません。
このように登記識別情報は企業の機密情報を扱うのと同程度のスキルと設備が必要となり,個人が適切に保管することは非常に困難であります。
(5)添付情報の作成
添付情報には複数人が電子署名を行う必要が生じる場合が多くあります。特定のファイルに複数人が電子署名を行うには,特殊なソフトウェア(プラグイン)をインストールする必要や,法務省のサイトから複数人署名を行う必要があります。2.オンライン申請を普及させる方法
我々司法書士は,不動産登記の9割以上を代理人として申請しております。その現状を前提としたうえで,オンラインによる不動産登記申請の普及を図るものとして,以下の申請方法が考えられます。
(1)利用者本人が公的個人認証サービスを利用しない方法
公的個人認証の普及率を考慮した場合,公的個人認証サービスを利用せず,司法書士の電子署名と電子証明書(以下「司法書士の電子署名等」という。)のみを 利用してオンラインにより登記の申請を行うことが可能となれば,オンライン申請の普及率増加に効果的であると考えます。
司法書士の電子署名等のみで登記を申請するには次の3つの方法が考えられます。
a 添付情報の送信をすべて省略し,原本(書面)は司法書士が保管する方法
b PDF化した添付情報のみを送信し,原本(書面)は司法書士が保管する方法
c PDF化した添付書類のみを送信し,原本(書面)を後日送付する方法
a 添付情報の送信をすべて省略する方法について
税理士会や社会保険労務士会が提案する,資格者が作成した情報だけで申請をする方法は,オンライン申請を飛躍的に増加させることが予想されます。
しかしながら,利害が対立する権利者及び義務者の共同申請を原則とし,そこに対抗要件としての機能を有する不動産登記においては、登記申請手続自体に真正 担保機能が求められていますので、添付情報を登記所に一切送信せず,原本(書面)を司法書士が保管し,結果のみをオンライン申請することは,現行のダブル チェック機能(司法書士がチェックし,さらに登記所で再チェックする)がなくなり,司法書士が本人や意思を確認したとしても,現行より真正担保の機能につ いて問題が生じることが予想されます。ただし,他の2つの方法(以下のb,cの方法)と比較して手続的に大幅な簡素化となりますので,オンライン申請が増 加することが予想されます。
なお,資格者のみの認証により申請をする場合には、不動産登記法等の改正を必要とします。
b PDF化した添付情報のみを送信し,原本(書面)は司法書士が保管する方法
添付書類については,スキャナーで読み取りPDFファイル化して,申請書と一緒に司法書士が電子署名等を付して添付情報として送信する方法が考えられま す。この方法では,登記所が申請を受け付けた時点で,一応添付書類を確認することができますし,後で司法書士が保管する原本と照合することも可能であり, 真正担保機能は一定の範囲内で維持できます。
問題点としては,(i)原本とPDFファイルの照合を行わないため,aほどではないにしても,真正担保機能についてはなお問題が残らないとはいえないこ と。(ii)添付書類の保存期間は最低でも現状の不動産登記法と同様10年間とせざるを得ないこととなりますが、膨大な添付書類原本を体系的に,かつ必要 に応じて第三者の閲覧に耐えうる状態で長期間保存しなければならないという新たな問題が発生します。なお,添付書類の保管についての問題点はaにも共通す る問題点であります。
なお,この場合にも不動産登記法の改正が必要となります。
c PDF化した添付書類のみを送信し,原本(書面)を後日送付する方法
bの方法で申請をした後,添付書面の原本を後日(一定期間内に、例えば3日以内に) 登記所に提出するという方法が考えられます。この方法によると,必ず原本を登記所で確認できるので、今までの真正担保機能を低下させることはありません。 なお,この場合は,現状も行われている「原本還付」の手続を緩やかに運用する方法を採れば政省令の改正のみで対応可能です。
以上,abcいずれかの案が実現し,公的個人認証を利用しないままオンラインによる不動産登記申請が可能になったとしても,申請人本人が登記識別情報の通 知を受けることを希望した場合には,申請人情報等を作成するに際して公的個人認証の利用が必須となります。登記識別情報の通知方法が現状どおりであるなら ば,オンラインによる登記申請の普及率も,公的個人認証の普及率の影響を受けてしまいます。なお,登記識別情報の通知方法の改善点については,後述しま す。
(2)公的個人認証サービスについて
a 公的個人認証サービスの検証者の範囲の拡大
「1(4)登記識別情報」記載のとおり,登記申請に添付する情報は,すべてが登記申請のためだけに作成されたものではありません。特に登記原因証明情報に 利用される書面は当事者が後日のため作成した書面を登記にも利用しているという側面もあります。当事者が検証できない電子署名は,当事者にとっては署名 (記名)押印のない書面と同じ価値しかありません。同様の内容の書面を作成しておきながら,オンラインを利用して申請するためだけに,公的個人認証を取得 し,電子署名を行う人は非常に希と思われます。
検証することのできる者の範囲を公的個人認証サービスの利用者全員に拡大するならば,行政手続以外にも利用できるようになることから,利用者が増大し,オ ンラインによる行政手続全般の普及率増加につながるのではないかと思われます。この場合,当然検証システムは,国が設置する必要があります。
なお,公的個人認証の検証者を民間に開放する(電子証明書とCRLを公開する)にあたっては,より一層のプライバシーに対する配慮と消費者保護法制の強化が必要であることを念のため申し添えます。
b 公開鍵の世代管理
前項の如く公的個人認証の検証者の範囲を拡大した場合であっても,現状では電子署名を行った者が住所移転等をした場合や,死亡してしまった場合は,従来の 電子証明書は失効リストに加えられてしまい,電子署名の検証を行っても署名の有効性を確認することができません。電子署名を行った者が署名後に住所を移転 した場合であっても,また不幸にも死亡してしまった場合であっても電子署名(電子署名を行うきっかけとなった法律行為)まで失効するわけではありません。 一度有効に為された電子署名は永久に検証できる状況になければならないのです。そのためにも,電子署名を行った時点の電子証明書の有効性の確認を永久に行 えるような公開鍵の世代管理を実現する必要があります。
なお,前項記載のとおり,司法書士の電子署名等のみでオンラインによる手続を完結させるのであれば,本人が登記識別情報の交付を希望しなければ,公的個人認証について言及する必要がないことは言うまでもありません。
(3)登記識別情報の通知の方法の改善
「1(4)登記識別情報」に記載のとおり,申請人情報等と登記識別情報(特にことわりのない限りオンラインにより通知された登記識別情報のことを言いま す。)は,確実な受け渡しが非常に困難であり,さらに申請人本人が保管するに際しても非常に困難を伴うものであります。
現在オンラインを利用した不動産登記申請は,すべてをオンラインで完結させるシステムとなっています。「2(1)c PDF化した添付書類のみを送信し, 原本(書面)は後日送付する方法」のように,一部にアナログの手法を取り入れ,申請人の希望により登記識別情報の通知は本人限定郵便で行うことにより,登 記識別情報の管理も容易になり,オンラインによる登記申請の普及率増加につながると思われます。この場合に必要な郵便料金は申請人に負担させるのが相当で あると考えます。
なお,繰り返しになりますが,「2(1)利用者本人が公的個人認証サービスを利用しない方法」による申請が実現した場合であっても,登記識別情報の通知をオンラインで受ける場合には,申請者情報等作成の際に本人が公的個人認証を利用している必要があります。
(4)市販のソフトウェアの活用及びオンライン申請システムの汎用性
a 市販のソフトウェア
オンラインにより登記を申請するに際しては,特定のファイルに複数の電子署名を行わざるを得ないため,市販のソフトウェア単体で手続きを行うことは非常に 困難です。仮に,「2(1)利用者本人が公的個人認証サービスを利用しない方法」によりオンラインによる登記申請を可能にすれば,市販ソフトウェアのみで 登記の申請を行うことも可能となり,オンライン申請の普及率増加につながると考えます。
b オンライン申請システムの汎用性
現在ICカードリーダ・ライタのドライバは,Windows以外のOSで利用できるものがほとんどありません。(インターネット,販売店を探してみました がWindows以外のOSで利用できるものを現時点まで見つけることができませんでした。)インターネットとJAVAを利用することの最大のメリット は,環境に束縛されないことにあると考えます。しかし,現状では実質Windows以外のパソコンでは利用できない状況です。早急にWindows以外の 特にMacOS,BSD,Linux等の環境でも利用可能なドライバの開発が必要であると思われます。
逆に,Windowsでしか利用できないようなシステムであるならば,webベースの申請窓口やJAVAを利用せず,インターネット網のみを利用して,専用ソフトを作成し利用した方がセキュアで利用しやすい,オンライン申請が可能になると考えます。II.商業・法人登記
来年度中に資格者認証を会員全員に交付する方向で検討しています。このような環境整備を行うことにより,オンラインによる申請可能な登記所も増加していることから,今後の普及率は増加するものと思われます。III.動産・債権譲渡登記
1.そもそも件数が少ない登記案件ではありますが,資格者認証の交付により,オンラインによる申請が可能になります。
2.動産・債権譲渡登記とは直接は関係ありませんが,RFIDの利用により,動産の管理や債権証書の管理が容易になり登記制度の利用促進につながることにより,オンラインによる申請も増加すると思われます。IV.登記事項証明交付申請及び登記情報提供サービスについて
1.オンラインによる登記事項交付申請は,対応登記所の増加に伴い今後増加すると思われます。
2.登記情報サービスについては,現時点においても相当数の利用がありますが,950円という手数料が低くなれば,さらに利用率が増加すると考えます。V.オンラインを利用した申請のインセンティブ
1.登録免許税等の軽減
オンラインを利用した登記申請については,登録免許税等を軽減する等,オンライン申請にインセンティブがあれば,利用者の増加を見込むことができると思われます。
2.IV登記事項証明交付申請及び登記情報提供サービスについて利用料を軽減することにより利用者の増加が見込まれると思われます。