-
意見書等
2003年(平成15年)10月20日
法務省民事局参事官室 御中
「民事訴訟法及び民事執行法の改正に関する要綱中間試案」について(意見)
日本司法書士会連合会
第1 民事訴訟法関係
1 民事訴訟手続等の申立て等のオンライン化(新設)
オンライン化に関しては、時代の要請でもあり、積極的に考えるが未だに経験のないことであるから、実際の運用を検証しながら改善をしていくことが必要であると考える。(1) インターネットを利用した申立て等の許容
法律専門家以外の利用者が簡易に利用できる制度とするとともに、妥当な手続き選択ができるようなサービスも同時に充実する必要がある。
(2) インターネットを利用した申立て等の到達時期
到達時が申立て者に分かるようなシステムにすべきである。
(3) インターネットを利用した申立て等における署名押印等に代わる措置
賛成する。2 督促手続のオンライン化(民事訴訟法第397条関係)
督促手続は、もっともオンライン化しやすい手続きであると考えられるため、この手続きの運用を検証して他の手続きへの具体的導入を検討すべきである。(1) インターネットを利用して取り扱う督促手続の地理的範囲の拡大
賛成する。
(2) 支払督促の作成及び記録の電子化
賛成する。
(3) 督促事件記録の閲覧・謄写等に代わる措置
賛成する。注書きの方法が妥当であると考える。
(4) インターネットを利用してする債権者に対する処分の告知
賛成する。3 文書提出命令(民事訴訟法第220条第4号ホ関係)
(1) 個別の事件においては、開示が不充分である場合がある。
(2) 開示について無制限であると試案指摘のおそれは考えられる。
(3) アの考え方が妥当であると考えるが、裁判官のみが文書の閲覧を行うなどの特別な措置も考慮すべきである。4 その他
(1) 管轄の合意(民事訴訟法第11条関係)
賛成する。
(2) 債権者に対する仮執行宣言付支払督促の告知方法(民事訴訟法第391条第2項関係)
賛成する。第2 民事執行法関係
1 少額債権のための債権執行制度(新設)
(1) 少額債権のための債権執行制度の創設
注書きを含め、賛成である。
国民の負担軽減の観点から、簡易裁判所において取得された債務名義に基づく民事執行を、当該簡易裁判所で行うことができるとすることは、積極的に推進されるべき事柄と考える。身近な裁判所としての簡易裁判所の機能充実は、今後も引 き続き推進すべきである。
(2) 少額債権のための債権執行制度を利用できる債務名義
少額訴訟手続のみに限定する理由はなく、簡易裁判所の事物管轄までは認めてもよいと考える。過渡期的に、少額訴訟のみに導入することは考慮に値する。
(3) 少額債権のための債権執行制度における執行裁判所
注書きを含め、賛成する。
(4) 少額債権のための債権執行制度における執行裁判所の権限
ア 賛成する。
注書きについては、転付命令の発令についても簡易裁判所で扱う権限を与えてもよいと考える。
イ 今の時点では賛成する。将来的に簡易裁判所の充実がはかられた時期に再度検討すべきである。
(5) その他
なお検討すべきである。2 不動産競売手続
(1) 最低売却価額制度(民事執行法第60条等関係)
C案が妥当であると考える。
最低売却価額制度は、関係者の意思が必ずしも反映しない制度であると考えられる。
(2) 剰余を生ずる見込みのない場合の措置(民事執行法第63条関係)
賛成する。
(3) 内覧制度(担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)による改正後の民事執行法(以下「新民事執行法」という。)第64条の2第1項関係)
慎重に考えるべきである。内覧に代わる方法を、なお検討すべきである。
(4) 入札期間中の取下げの制限(民事執行法第76条関係)
なお、検討すべきである。
(5) 差引納付の申出の期限(民事執行法第78条第4項関係)
賛成する。3 執行官による援助請求(民事執行法第18条関係)
賛成する。4 裁判所内部の職務分担(新設)
(1) 民事執行手続の職務分担の見直し
(2) 民事執行手続の職務分担の在り方
利用者及び関係者の権利を害さない範囲で職務分担の見直しを行うのであれば賛成する。
(3) 裁判所書記官の権限とする事項
賛成する。5 金銭債務についての間接強制(新設)
(1) 間接強制の方法によることができる金銭債務
注書きを含め、賛成する。
(2) 間接強制の決定の取消し
注書きを含め、賛成する。以上