学術研究
-
諸外国との学術交流
日本司法書士会連合会では、国際交流室を設置し、諸外国との交流実績を重ねています。特に韓国については、大韓法務士協會と2002年(平成14年)4月に友好協定を締結し、定期的な相互訪問の実施や研究活動のための情報交換を行っているほか、地方法務士会と司法書士会との交流支援や訪日視察団の受け入れ等も実施しています。
(1)大韓民国
第16回日韓学術交流研究会の開催
令和元年11月15日、韓国ソウル市のオリンピックパークテルホテルにおいて第16回日韓学術交流研究会を開催した。連合会からは会長以下14名が出席し、大韓法務士協會からは36名が出席した。事前に両会で作成・交換した資料を基に、交互に発表し、その後、質疑・討論を行った。終日にわたる熱心な討議の結果、裁判IT化、法人登記や両国の司法書士制度・法務士制度、時事問題に関連する両士業の課題等について理解を深めた。今回の日韓学術交流研究会における発表テーマは次のとおりである。
第1主題 | 大韓法務士協會発表「裁判のIT化について~昨年以降の実施状況と実務対応~」 |
---|---|
第2主題 | 日本司法書士会連合会発表「司法書士業務に関連した最近の立法動向などについて」 |
第3主題 | 大韓法務士協會発表「大韓法務士協會が推進中の法務士法改定案について」 |
第4主題 | 日本司法書士会連合会発表「日本の法人でない社団・財団の規律に関する制度及び特別法による特殊法人登記のいくつかの問題について」 |
第5主題 | 大韓法務士協會提供資料「行政府による本人申請促進の動きについての法務士側の問題意識、対応について」 |
第6主題 | 日本司法書士会連合会提供資料「登記官の審査権限などについて」 |
第7主題 | 日本司法書士会連合会提供資料「土地収用に関するいくつかの事項などについて」 |
(2)中華人民共和国
中日民商法研究会への参加
中日民商法研究会には平成21年度から毎年参加して交流を深めている。令和元年度は令和元年9月14日から9月15日にかけて、副会長ら3名が中国雲南省昆明市を訪問し、中日民商法研究会第18期(2019年)大会に参加し発表を行った。日中両国の民商法に関する比較研究を推進するため、民法部会、商法部会、実務部会の3部会に分かれ議論した。
このうち、民法部会では「不動産登記制度の変容(所有者不明土地問題と不動産登記の在り方)」について、商法部会では「商業登記制度における真実性の確保について」について発表した。
アジア諸国への法整備支援
日本司法書士会連合会では、アジア諸国への法整備支援事業の推進を目的として、名古屋大学が行っている会議等への積極的な参加及び関係機関からの情報収集を行い、法整備支援についての継続的な検討を進めています。また、カンボジア等への法整備支援を行っています。
カンボジアへの法整備支援
JICA(独立行政法人国際協力機構)主催の法整備支援能力強化研修を修了した司法書士1名が、2010年4月から2013年5月まで、JICA法整備長期専門家派遣員としてカンボジアに派遣された。JICAの長期専門家派遣員に司法書士が選抜されたのは初めてのことであった。
JICAの派遣終了後、カンボジア王国政府(国土管理都市計画建設省)からの公式な要請を受け、連合会は同省の「不動産登記実務技術支援プロジェクト」のリーガルアドバイザーとして、上記司法書士1名を派遣し、カンボジアに対する法整備支援事業を継続して実施している。
学会での活動
日本司法書士会連合会では、司法書士業務に関連する法令や関連事項などについて、学術的見地からの研究は日本における今後の法制度の発展に非常に重要なものと考えております。
- 日本司法書士会連合会の取り組み