さまざまな法律事務を通じて、みなさまの権利を擁護することで、自由で公正な社会の実現に貢献する法律専門職です。
司法書士が行う法律事務の一部の例としては、相続などの不動産登記手続きの代理、会社設立などの商業登記手続きの代理、訴状などの裁判所提出書類作成、簡易裁判所における訴訟代理、破産申立書類作成などの債務整理、成年後見、遺言執行人や各種財産管理人としての業務、遺産承継業務、民事信託支援など実にさまざまです。
みなさまの暮らしの中で生じる困りごとや紛争などについて、身近で気軽に相談できる法律家です。さまざまな日々の業務を通じてみなさまのお役に立っています。
司法書士は日々の業務以外にも、災害後の被災地において無料法律相談、被災者支援制度の案内、被災された市民の皆さんと寄り添い、ともに歩むさまざまな市民救援活動や、原発事故による損害賠償請求の相談、一般市民への法教育、そして経済的に困窮する方々への支援などさまざまなところで活躍しております。
代書人と呼ばれていた時代から考えますと、150年前から存在しております。今年がちょうど150周年。150歳ということになります。
1872年(明治5年)に司法職務定制が公布され、司法書士の前身である代書人制度が創設されました。
これまで150年もの長きに渡り司法書士が受け継がれてきたのは、司法書士の諸先輩方が、真摯に業務に取り組み、そして国民から必要とされ続けてきたからに他なりません。
みなさまの司法書士への信頼をこれからも守り、次の時代へ引き継がなければならないと思っております。
極めて重要です。登記がされなければ、相続した土地を他の人に自分のものだと主張できません。主張できないということになれば、その土地を売ることもできませんし、担保にいれることもできません。
今後、相続登記や住所変更登記が義務化されることになります。これらの登記の担い手である司法書士には、今まで以上に登記制度の周知啓発や登記申請の促進を図ることが求められていると感じております。全国の司法書士が一丸となって国民の期待に応えていきたいと思っております。
仕事が終わった後に、依頼人の方に感謝されることが一番の喜びです。
司法書士は普段見えないところで依頼案件に関するさまざまな調べ事をしたり、また仕事が休みの日にも業務研修を受講したりと、日々業務の研鑽を積んでおります。それらは全て依頼者に感謝され、信頼されるためのものであり、司法書士の使命を果たすためでもあります。
依頼人の方が求める解決ができなかったときは本当に辛いです。
司法書士は日々、法律や司法書士倫理に基づいて業務を行っているため、事案によっては、依頼人の方が求める解決ができないこともあります。そんな時、他に良い方法があればいいのですが、ない場合もあります。ない場合には、依頼を断らないといけないため、その説明をして納得してもらうわけですが、その時が辛いことの一つです。
さまざまな法律事務がありますので、それぞれに役立ち方は異なります。
喫緊の課題として考えている「所有者不明土地問題」を例にあげれば、相続登記がされていない土地について相続登記を行うことによって、その土地の有効活用が可能となりますので、所有者の権利擁護はもちろん、社会的資源としての不動産の活用にもお役に立っていると思います。
誠実で、責任感の強い人が向いていると思います。
司法書士試験に合格しなくてはなりませんが、受験資格に制限はなく、誰でも受験することができます。司法書士の仕事は、業務範囲が広く、男性・女性を問わずにできる仕事です。また、一度社会に出た人や出産育児・介護などを経験した人も自分に適した仕事をすることができます。とてもやりがいを感じられる仕事だと思います。司法書士の使命を果たし、共に国民の権利を擁護し社会に貢献してくれる人を私たちは求めています。
誠実さと、丁寧さを大切にしています。
依頼人の求めているものがどこにあるのか、丁寧にお伺いし、それを実現できるよう誠実に対応しているつもりです。司法書士の倫理規定には、「司法書士は、信義に基づき、公正かつ誠実に職務を行う。」という規定があります。依頼人に対しても、法律に対しても公正かつ誠実に向かい合うことが大切だと思っております。
司法書士はこれまで時代のニーズに合わせて仕事の幅を広げてきました。
訴状などの裁判所提出書類作成を主たる業務としてきた代書人時代から、高度成長期には不動産登記の担い手として。司法制度改革により、紛争解決の担い手として簡易裁判所における代理権が付与され、社会問題となった多重債務被害救済の実務の担い手として債務整理にも大きくかかわりました。また、超高齢化社会における後見制度の担い手としては、今後もますます期待がされています。
短期的には、所有者不明土地問題の解決の担い手としての期待が大きいので、相続登記はもちろん、相続手続き全般について、特に遺産分割協議の促進役としての役割が重要になってくると思います。また、土地管理人などの財産管理人としての役割も増えていくでしょう。
もう少し先には、民事裁判や家事事件・倒産事件などのIT化が行われますので、市民の皆様と裁判所をつなぐ役割が、これまで以上に重要視されると思います。もちろん、IT化はすべての分野で進んでいきますので、不動産登記や商業登記分野でのデジタル変換にも十全な対応をしなければならないでしょう。
これからの150年は、コロナウィルス感染症拡大の影響もあって、さらに世の中のデジタル変換が促進される新しい時代に突入していくでしょう。
この新しい時代を創る法律家として、司法書士はその使命を果たし、これからも市民の法的需要に応え続けていける存在でありたいと思います。
そうあり続けることができれば、けして、AIに代替されることのない、クリエイティブで市民に求められる職能団体として、さらなる飛躍が可能であると信じております。
昭和42年3月27日生