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会長声明集
2010年(平成22年)06月17日
改正貸金業法完全施行に関して(会長談話)
日本司法書士会連合会
会長 細 田 長 司
平成18年12月13日に成立した改正貸金業法が、6月18日に完全施行されます。改正法の施行により、消費者金融などからの年収の三分の一を超える新 規の借り入れが制限されることになります。また、いわゆる「グレーゾーン金利」が撤廃され上限金利が利息制限法の水準まで引き下げられます。
当連合会は、改正貸金業法の早期完全施行を訴えてきました。
貸金業者の「貸し過ぎ」が、自己の返済能力を超えて借金を抱えてしまう「多重債務者」が増えた原因のひとつであり、今回の改正により「貸し過ぎ」に歯止 めがかかることは大きな意味があると思います。ただし、新規の借り入れが制限されることにより、今、借金を抱えている人が、カードを利用して商品を換金したり、不利な借り換えをしたり、ヤミ金に手を出すようなことがあってはなりません。
特に、ヤミ金からの借り入れは、借りた本人だけではなく、家族や職場にも大変重大な不幸を招くことがありますので、絶対止めてください。万が一、ヤミ金から借りてしまった場合は、一刻も早く専門家に相談して、早急な対処をすることが重要です。
司法書士は、各関係機関と連携して、全力を挙げて相談体制を強化しますので、「借り過ぎ」の生活から抜け出すために、まずは司法書士等の専門家に相談をしていただきたいと思います。
市民が将来にわたって安心して生活できるようになるには、貸金業者の貸出しを制限することだけで、実現できるわけではないと考えています。改正貸金業法の施行を契機に、公的扶助制度の充実や社会福祉協議会などのセーフティネット貸付の充実が図られるべきです。
当連合会は、国や行政への提言を行い、債務者の生活再建の実現を目指して積極的な活動をしてまいります。