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会長声明集
2011年(平成23年)10月26日
「後見制度支援信託」の導入にあたっての会長声明
日本司法書士会連合会
会長 細 田 長 司
最高裁判所により、後見制度支援信託の導入が公表された。当連合会は、この制度導入に関して、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート、他の専門職団体とともに最高裁判所と協議を重ねてきた。
成年後見制度の趣旨に照らし、本来さらに慎重に検討すべきであると考えるが、親族後見人による財産侵害を防止することの重要さに鑑み、これに協力することとした。
当連合会は、成年後見人等の不正に関して、家庭裁判所による後見人選任の過程及び監督機能の充実こそが根本的な不正防止策であると考えている。その意味でも、後見制度支援信託の運用は、一時的な対処としての運用であるべきだと認識している。そのためには、成年後見制度全般の改善について、最高裁判所、法務省、厚生労働省、専門職後見人供給団体などの間で継続した協議の場が必要である。
また、成年後見人ばかりでなく未成年後見人における不正防止についても具体的に検討していく必要があることは言うまでもない。
後見制度の改善及び後見監督を始めとする不正防止策については、最高裁判所、家庭裁判所だけの問題ではなく、我々、専門職後見人の問題でもあることを認識し、今後も関係諸団体と検討を重ねていき、成年後見や未成年後見の制度が安心して利用できる環境づくりに努めていく決意である。