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会長声明集
2024年(令和06年)04月01日
相続登記の申請義務化にあたって(会長談話)
日本司法書士会連合会
会長 小 澤 吉 徳
本日、改正不動産登記法が施行され、相続登記の申請が義務付けられました。
当連合会では、令和3年4月21日法律の成立以降、これまで独自にあるいは法務省や他団体とのコラボレーションにより、相続登記促進・遺言に関するポスター及びチラシ等の制作やテレビCM素材の制作、俳優の高橋惠子さんを起用しての広報活動、そして相続登記義務化に関する認知度調査など、様々な周知活動を展開してきました。
本年1月に実施した調査では、相続登記義務化に関する認知度は48.6%との結果が出ております。また、本年2月17日に当連合会が実施した「全国一斉「遺言・相続」相談会」においては、1日で4,244件もの相談が全国の司法書士会に寄せられました。全国の司法書士にも相続登記に関する相談が多数寄せられており、相続登記の申請義務化に対する国民の関心が徐々に高まってきていることを実感しています。
このような相続登記の相談需要に応えるため、当連合会では全国の司法書士会に「相続登記相談センター」を設置し、相談受付全国統一フリーダイヤル「0120‐13‐7832(いさんのなやみに)」にて、相続登記全般に関する相談予約を随時受け付けております。
また、司法書士へのアクセスを充実するため、当連合会のホームページに相続登記の特設サイトを設けるとともに、お近くの司法書士の最新情報を検索できる公式司法書士検索サイト「しほサーチ」の運用を開始しました。さらには、全国50の司法書士会と所属する約23,000名の司法書士においても相続登記への相談体制を築いてきました。「相続登記の専門家=司法書士」のスローガンのもと、電話相談・面談相談のほか、Web会議システムやSNSを利用した相談体制も拡充していく所存です。是非とも相続登記は司法書士にご相談ください。
今、司法書士は、登記の専門家としての役割に限らず、「財産管理」「裁判手続」「事業承継」「民事信託」「空き家・所有者不明土地問題」等、あらゆる法律的な課題の場面において法律専門家としての役割が期待されています。そして、相続登記の申請が義務付けられたことにより、遺産分割協議を促進するための役割についても期待されています。
我々司法書士は、期待に応えるべく課された責任を自覚し、国民の大切な財産が次の世代へと確実に受け継がれる手続を徹底的にサポートすることで、空き家・所有者不明土地問題の解決に貢献していく所存です。
今後も当連合会は、法務省をはじめとする府省庁や全国の自治体、その他関係団体ともこれまで以上に連携を強化し、周知広報や相談事業の実施を継続して、相続登記の申請義務化の認知度向上に努めてまいります。
司法書士は、これからも不動産登記法の目的である「国民の権利の保全」や、司法書士の使命である「国民の権利を擁護」を達成するため、国民一人ひとりに寄り添い、取り組んでまいります。