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会長声明集
2020年(令和02年)12月22日
すべての人たちに給付金の支給が行き渡ることを求める会長声明
日本司法書士会連合会
会長 今川 嘉典新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として実施された特別定額給付金は,本年10月末までに全国の市区町村の申請期限が到来し,受付が終了した。
総務省の発表によれば,令和2年8月28日現在,総世帯数の99.2%の市民が特別定額給付金を受給したとされる。総務省において申請や受給に際して支援や配慮が必要な人についての事務連絡等を発出したり,給付事務を担う市区町村において未申請の住民の訪問を行ったりする等さまざまな工夫がなされたことにより,上記受給率につながったものと思われる。
一方で,なお,さまざまな事情から受給に至らなかった人が存在し,その中にはコロナ禍の失業で生活困窮に陥った人たちやネットカフェ難民,ホームレス生活者,単身高齢者,DV被害者,学生,若年層,外国人等生活上の支援を必要としている人々がいるのが現状である。
また,経済状態や失業率に密接に関連があるとされる自殺者数は,本年10月には昨年同月と比べ619人増の2,158人となり増加傾向にある状況を踏まえ,国内に住む全ての人を対象とする定額給付金の支給を徹底するとともに,さらなる対策を実施すべきである。
そこで,当連合会は,国及び地方自治体に対し,次のとおりの対応を強く要望する。1.すでに行われた特別定額給付金事業を検証するとともに,未受給の人たちに給付金を支給するため以下の対策を含む救済措置を講じること。
①特に受給率が低かったと思われる若年層に対しては,その申請を支援するとともに,生活上の問題を解決するための相談支援を提供すること。
②免許証等の本人証明書類を持たない人に対しては,本人証明について要件を緩和し,民間の支援機関等による証明をもって本人証明に代えることができるようにする等適切な対応を行うこと。
③住民票上の住所を持たないホームレス生活者等に対しては,生活保護等の活用により住所を確保できるよう支援し,公的機関等が民間とも連携しつつ一時的な住所の設定が可能となるよう援助すること。
2.新型コロナウイルスの感染状況及び日本経済の情勢を鑑み,生活困窮者の生活支援のため,さらに新たなる給付金事業を実施することにつき検討すること。以上