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会長声明集
2006年(平成18年)12月14日
改正貸金業法成立に関する会長声明
日本司法書士会連合会
会 長 中 村 邦 夫平成18年12月13日、参議院本会議において、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案」が原案どおり可決・成立した。
多重債務問題の早期解決という理念が、341万人を超える署名、43都道府県議会及び1136市町村議会での意見書採択という市民運動へと昇華し、業界団体や外圧をも押しのけ、国を動かす結果に繋がった。
過剰貸付に対する規制強化、みなし弁済制度の廃止、貸金業者による上限貸付金利の年20%への引き下げ等の実現は、まさに市民運動が勝ち取った成果であり、当連合会は同法の成立を高く評価し、歓迎する。ところで、衆参両院附帯決議には、「高利貸しのない社会の実現」へのメッセージが込められていると理解するが、一方で3年後とされる見直し時期までの対応次第では、特例金利や利息制限法の実質引き上げ論も再浮上しかねない。
法の成立と同時に、私たち司法書士が負った使命は大きい。
起こり得る信用収縮に向けたカウンセリング体制の充実、低所得者層への低利融資といったセーフティネットの構築、ヤミ金の取締り強化等、運動を通じて築き上げた多くの団体とのネットワークを生かしつつ、直ちに対応しなければならない。
ことに、相談体制の一層の強化拡充と消費者教育への更なる取り組みは、現場に生きる司法書士にとって急務であると認識する。司法書士は、今後も多重債務問題解決のための受け皿として、これまで以上の積極的な取り組みをしていく所存である。