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総会決議集
沖縄復帰50年の節目において、日米地位協定の改定および沖縄県の米軍基地負担軽減を図るための国民的議論を深めることを広く呼びかける決議
2022年(令和04年)06月24日
日本司法書士会連合会 第87回定時総会【議案】
日本政府および全国の地方自治体並びに日本国民に対し、広く呼びかけるために、以下の事項をここに決議する。
1.国民の生命・財産と人権をめぐる諸問題の適切な解決を図るため、日米地位協定を抜本的に見直すこと。
2.沖縄県の米軍基地負担軽減を図るための国民的議論を深めること。【提案の理由】
本年5月15日、戦後27年の米国統治から沖縄が日本に復帰し50年となった。
平成8年9月8日、沖縄県による米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しの賛否を問う県民投票で、賛成が約9割を占めた。平成31年2月24日、沖縄県による辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票で、投票総数の7割以上が反対の民意を示した。
しかしながら、地位協定は昭和35年の効力発生以来、改定されることなく60年以上が経過している。また、沖縄県の米軍基地負担軽減のための国民的な議論は深まっているとは言い難い。
日本政府のみならず全国の地方自治体並びに日本国民は、わが国全土にわたって自由をもたらす恵沢が確保されるよう、かつ沖縄県民が直接に示した県民投票の結果を重く受け止め、日米地位協定の改定及び復帰50年を経てもなお沖縄県民が過重に背負わされてきた米軍基地の負担軽減のための国民的議論を深めていく必要がある。
これらは沖縄の問題ではなく、日本全体の問題であり、今一度立ち止まり、国民全体で議論を深めていくべき問題である。
沖縄県司法書士会では、平成16年5月22日「日米地位協定の改定を求める宣言」、平成22年6月1日「米軍普天間飛行場移設問題についての会長声明」、令和元年5月24日「日米地位協定の抜本的改定を求める会長声明」を発出し、令和3年5月29日、第81回沖縄県司法書士会定時総会において「日米地位協定の改定および沖縄県の米軍基地負担軽減を図るための国民的議論を深めることを広く呼びかける決議」を採択している。
九州ブロック司法書士会協議会においても令和3年6月5日、第76回定時総会において「日米地位協定の改定および沖縄県の米軍基地負担軽減を図るための国民的議論を深めることを広く呼びかける決議」を全会一致で採択している。
日本司法書士会連合会においても平成15年6月25日、第64回定時総会において「日米地位協定の改定を求める宣言」を採択している。
令和2年8月1日、「国民の権利を擁護し、もって自由かつ公正な社会の形成に寄与すること」を使命とする改正司法書士法が施行された。本改正は、この国に生きるすべての人々からの負託である。この期待に応えるべく、本議案を提案する。*なお、この議案は意見表明の決議を求めるものであり、日本司法書士会連合会および各単位会において活動を求めるものでも予算を伴うものでもない。また、決議の趣旨に反しない範囲での字句の修正は執行部に一任する。