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意見書等
2018年(平成30年)08月30日
法務省民事局民事第一課 御中
「後見登記等に関する省令の一部を改正する省令案」に関する意見書
日本司法書士会連合会
会長 今川 嘉典
当連合会は、標記省令案について次のとおり意見を申し述べる。
【意見】
『特別の請求がない限り、登記事項証明書には、変更前の登記事項を記載しない。』とすることには基本的に賛成であるが、特別の請求がある場合は、更正前の登記事項が記載された登記事項証明書も発行できるようにすべきである。
【理由】
省令案の概要には「登記事項証明書には、更正前の登記事項を記載しない」とあり、「成年被後見人等の住所等、申請によって登記事項が変更された場合も、特別の請求がない限り、登記事項証明書には、変更前の登記事項を記載しない。」とあることから、省令案では、特別の請求があっても更正前の登記事項が記載された登記事項証明書は発行されないことになると考えられる。
しかしながら、更正前の登記事項が記載された登記事項証明書が発行されないことになると、発行日は異なるにしても、同一人に対する異なる内容の登記事項証明書が提出された時に、速やかに一方は更正前の登記事項証明書であることが分かる手段を失うことになり、証明書を巡っての無用な混乱や不都合な状況が生じる可能性があるとともに、そもそも更正前の登記事項証明を必要とするような場合も生じ得ないわけではないと思慮する。
したがって、特別の請求がある場合は、更正前の登記事項が記載された登記事項証明書も、変更前の登記事項が記載された登記事項証明書と同様に発行できる扱いとすべきである。
また、このような特別の請求者に対しては、証明書が特別の個人情報を含んだものであることから、その使用目的や提出先等を明記させるべきである。