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意見書等
2007年(平成19年)08月22日
内閣府国民生活局 消費者調整課 御中
「国民生活センターの在り方等に関する検討会中間報告」に対する意見書
日本司法書士会連合会
会長 佐 藤 純 通当連合会は、平成19年7月30日付「国民生活センターの在り方等に関する検討会中間報告」(以下、「中間報告」という)に対し て、消費者トラブルの現状及びそれに対する国民生活センターの取組みを分析し、消費者被害の回復・未然防止・拡大防止等の観点から報告されているものと概 ね評価するものであるが、以下の点につき、とくに意見を述べる。
第1 意見の趣旨
1 国民生活センターの活動が過度に縮小されることのないよう、十分な予算措置を講じるべきである。
2 国民生活センターを中核とした裁判外紛争解決に関連する制度について、早期に法整備を進め導入すべきであり、その制度化にあたっては、国民生活センター等に公正・中立な第三者からなる機関を設けるべきである。
第三者機関の設置にあたっては、司法書士の積極的な活用を図るべきである。第2 意見の理由
意見1について
国民生活センターのこれまでの実績及び果たしてきた役割を考えると、今後も国民生活センターが行う消費者政策は重要である。一方で、中間報告には「行政の スリム化」や「厳しい財政制約の中で」といった文言が見受けられ、今後十分な予算措置が講じられないとの不安もある。今後の国民生活センターの役割の重要 性を考えると、活動が縮小されることがあってはならず、十分な活動を行っていくためにも十分な予算措置を講じるべきである。意見2について
現に発生している消費者トラブルを解決することは、被害にあった消費者を救済するだけでなく同種のトラブルの拡大防止にもつながるが、その解決には様々な要因により困難を伴うことが多い。
国民生活センター等の行ってきた消費者紛争対応能力は公的機関としてその有する信頼感により取扱い実績は他を圧倒している。この機能を民間にて担うための 整備等は充分とはいえず、現状の国民生活センター等の基盤を強固なものとし、より一層の活動を求めていく必要がある。したがって、国民生活センター等の紛 争解決手続きについて法律上なんら規定のない現状のままではなく、これを法上明らかにし、その整備を進めていく必要がある。その手続きについては、その信 頼性が不可欠の要素となるため、国民生活センター等の公正・中立な第三者からなる機関の設置が望ましい。
また、司法書士は、平成15年に簡易裁判所の訴訟代理権等が特別の認定を受けた者につき認められるようになって以降、多くの事件を訴訟代理人として取り 扱ってきた。とくに消費者問題と言われる「多重債務問題」「悪質商法問題」「敷金返還問題」等々に積極的に関わっている。そこで、第三者機関の組織構成に あたっては、現場を知りまた法令を知る専門家として、司法書士を積極的に活用すべきである。
なお、現状においては、消費者問題における紛争解決機関の多様化は、消費者保護の観点から望ましい事ではあるが、今後、各府省庁において、さまざまな紛争 解決機関が作られると、消費者にとって判りづらくなることも予想されるので、消費者(保護)庁を早期に創設して、消費者保護行政の一本化を図るべきであ る。