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意見書等
2012年(平成24年)02月17日
林野庁 御中
「森林法施行規則の一部を改正する省令案」に対する意見
日本司法書士会連合会
会長 細 田 長 司
住所:東京都新宿区本塩町9-3
TEL:03-3359-4171日本司法書士会連合会は、平成24年1月19日に公示された「森林法施行規則の一部を改正する省令案」に対する意見募集につき、下記のとおり意見を申し述べる。
意見
1.地域森林計画の対象となっている民有林の新たな所有者となった旨の届出義務の期間は、「遅滞なく」とするべきである。
国民の多くは森林とは無関係に生活しており、地域森林計画の対象となっているかどうかについても知らず、また相続の場合は、森林所在地以外に居住する者が相続人となることも多く、適切に届出を行うには90日という期間はあまりにも短い。
類似の法制度である農地法第3条の3の届出については、「遅滞なく」とされており、その運用において概ね10か月以内に届け出るべきとされている。2.届出義務期間の起算点は、新たに所有者となったことを「知った」時からとすべきである。
相続の場合は、相続人が自ら対象森林の土地を相続したかどうかを知らない場合も多い。
前記同様、農地法第3条の3の届出については、その運用において「知った」時から起算するとされている。3.「地域森林計画の対象となっている民有林」であることにつき、一般の国民が容易にわかることができる措置を講じるべきである。
「地域森林計画」というものを知っている国民は少なく、ましてや自分が相続した土地に森林の土地があることはわかっても、それが地域森林計画の対象となっているかどうかを調べる術を知らないのが普通である。従って、国民がどこに居住していても、地域森林計画対象となっている民有林であるかどうかを容易に知ることができる措置を講じないと本制度が十全に機能しない。4.届出書の添付書類から、「土地の位置を示す図面」を削除するべきである。
自分の相続した森林の土地の位置を把握している国民は少なく、「任意の図面に大まかな位置を記入した程度のもので」よいとされてはいるが、それを作成して添付させることは容易でなく、国民にとって大きな負担となって届出を躊躇する事態にもなりかねない。
届出については、地番を把握することができればよく、それ以上の位置の特定については行政の責任で行うべきである。
また、届出書の様式については、できる限り簡易なものとし国民の負担を軽減すべきである。5.届出をする市町村は、届出人の住所地の市町村とすべきである。
改正法では、どこの市町村に届出をすべきかについて規定されていない。届出を促進するためには、できる限り届出人の負担を軽減すべきであり、新たに森林の土地の所有者となった旨の届出先である市町村は、住所地の市町村とすべきである。6.国民に対する広報を徹底すべきである。
国民の森林に対する関心が近時高まりつつあるとはいえ、まだまだこの問題に関する国民の意識は低いと思われる。罰則の伴う法改正であることも踏まえて、十分な周知期間をおくとともに広く広報を行うべきである。